初めての診察
病院に行く事になってから、どの様な経過を辿って行ったのか。
少しずつ思い出して記していきたいと思います。
初診の日。自分自身精神科に行く事自体初めてで、緊張していたのを覚えています。
こじんまりとした個人病院で、受付の方に問診表を貰いそれに記入していきました。
するとすぐに先生が来てくれ、
これは恐らく統合失調症ですね。旦那さんが居ると話しにくい事もあると思うので、ご本人さんだけで診察をさせて貰います。
と言われ、とりあえず私は待機する事に。
待つ事20分程でしょうか、先生に呼ばれ診察室に入りました。
奥様は統合失調症です。これからは投薬治療をしていきます。
薬の副作用はあるんですか?
薬の副作用は個人差があるのでご本人に一番合う薬を探していきましょう。
完治する病気なんですか?
完治する病気ではありません。寛解と言って症状が落ち着いて安定した状態までにはなりますが、再発する事もあります。なので薬は飲み続ける事になります。
小さい子供が居るけど遺伝するんですか?
遺伝ですが、片方の親が統合失調症の場合10%で遺伝すると言われています。
厳しい現実を突きつけられた。
治る病気ではない。つまり一生病気と付き合っていかなくてはならない。もちろん本人が一番辛いのであろう。しかし一番身近に居る自分自身も辛かった。
もしかしたら子供にも遺伝するかもしれない。あの悪夢の様な出来事を子供にまで経験させたくない。それも当事者として。
そう考えると不安で仕方がなかった。
これから頑張って家族を支えていこう!となるほど精神的に強い状態であるはずがなかったのだ。
しかし考えていても仕方がない。この現実から向き合わなくては。そう思い病院から統合失調症のパンフレットを貰い病院を後に。
子供は実家に預けていたので子供を迎えにいき、病院で言われた事を親に話しました。あの時の親の心配そうな顔は今でも忘れません。
そして家に帰り初めての投薬。グラム数は覚えていませんが、種類は確かリスペリドンだったと思います。
夜全く寝ていなかったせいか、薬を飲んだ後はその日の夜まで寝ていました。そして起きた後妻がお風呂に入った後、
窓の外からブスと言われた。これも幻聴?
この時本当に幻聴が本人には本当に言われている様に感じているんだなと。
それと同時にそれを幻聴と疑う事が出来た事に安堵しました。
次の日、会社に事情を説明し休みを貰った。妻の勤務先の病院に事の報告と、退職する旨を伝える為にである。
この時ふと思った事が。
勤務先の病院には精神科。統合失調症という病気の存在も知っているはず。周りの人達は気が付かなかったのだろうか?
午前中のうちに妻の勤務先に行きました。そして看護師長さんと話しをする事に。前日の事を説明し、病院も受診した事を伝えました。
すると涙を流しながら、
本当に娘の様に思っていた。何ヶ月も前から様子がおかしいとは気付いていた。
まあ気付かない筈がない。すかさず聞いてみる。
「統合失調症だと分かっていたんじゃ?」
実は半年程前に1度本人の希望で、この病院で受診しています。その時に統合失調症と診断されたのですが、それからは1度も受診していません。
どうも本人もおかしいとは思っていた様だ。しかし認めたく無かったのだろう。まさか受診しているとは思いませんでしたが、もう終わった話しだと思い会話を続けました。
なぜその事を私に教えてくれなかったんですか?統合失調症という病気の存在すら私は知らなかった。家に電話してその事を教えてくれるくらい出来たのでは?
個人情報があるので、教える訳にはいかなかった。まさかこんな事になるなんて。。。
個人情報?患者である前に1人の人間じゃあないんですか。そもそもそちらで働いていたのですから同じ職場の社員じゃないですか!それくらい教えてくれてもよかったじゃないですか。
すみません。どうしても個人情報は教える事が出来ないんです。
本当に娘の様に思い、どうにかしてあげようと思っていたなら放っておくなど絶対にしない。する筈がない。統合失調症は放っておいて良くなる事なんてない。むしろ悪化するばかりで、もしかしたら自殺という最悪のケースになる事も十分承知の筈。
たった一言統合失調症と診断されたと教えて欲しかった。無知な自分が訳も分からず1人悩む事もなかっただろう。
妻が退職する事を伝え、病院を後にした。
次回の記事はこちら。
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